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九州を旅する

「若き日に旅をせずば老いての日になにを語る」 ゲーテ

私の人生に最も影響を与えた作家・開高健がよく引用した言葉です。
10代半ばからこの言葉を信じて旅を続けてきました、根なし草のように。
好奇心を行動に移し、様々な文化に触れ、気に入った場所で暮らし、おかげで適応能力だけは身に付いたようで、今では大都会のど真ん中でも森の中でも笑顔で楽しく暮らせるようになりました。

全てのキッカケは外からやってくる。
そう気づかせてくれたのも旅でした。人への感謝、自然や文化への尊敬と配慮、好きという感情の温もり、守ろうとする強さ、進むための熱情、継続の重要性、許し受け入れる心、足るを知ること、無私無欲の愛。そんなキッカケも外からやってくる、と・・・・。
一人では何も生むことはできないし、自分の中だけではキッカケも起こらないんですよね。刺激だったり、情報だったり、感動だったり、何かしらのキッカケが外から入ってきて人は何かを始められる。全ての元を辿ればキッカケは必ず外からやってくる。
そのフリ幅が広いほど、器が深いほど、人は幸せなんじゃないかと私は信じてます。

だから旅を続けてます。


やまなみハイウェイ
九州を旅する_b0195924_923118.jpg九重連山九州を旅する_b0195924_924134.jpg


土石流の跡を歩く
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標高1230m面積53ha(甲子園球場約40個分)国内最大の中間湿原「坊がつる」
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丘虎の尾(オカトラノオ)という花
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腰を下ろしてナッツを食べていると突風がふいて、広げていた地図が飛ばされたので茂みを歩いて地図を取りに行くと小さなオカトラノオが咲いていました。
足元を見てなかったら、私は確実にこの花を踏んでました。私が踏むと、この花は受粉も出来ず枯れてしまいます。この花からどれだけの種が落ち、また来年この湿原にどれだけの花を咲かせるのか分かりませんが、私は花を踏まなかったことで今はこの一輪の花を、来年はこの花の子供達を、再来年は孫を、5年後は20年後は・・・と、私は何処に居ようと死ぬまでこの花の子孫が次々に花を咲かせている姿を想像して楽しむことができます。
こんな気持ちを一つでも多く持ちたいですし、そんな可能性を少しでも増やしたいです。そのために森羅万象・ありとあらゆることに関心を持って感じたいです。

ただ日常を騒がしく消化し日々を重ねるのではなく、自分を取り巻く状況の全てを丁寧に見て・感じて・拾い集め、24時間365日を旅している時のように優しい視線で、穏やかな気持ちで過ごして往きたいです。旅するように暮らしたいです。






本日のBGMは、これ!

「Dexter Gordon」




哀愁漂うこのルックスと、甘いも酸いも嫌ってほど経験して辿り着いた男のテーマ曲のような(笑)この泥臭くてサビた世界観がたまりません。
生きざまが表情にも音にも表れてますね。

フルボリュームでどうぞ!
by unsane001jp | 2011-07-26 13:33 |